浸水・水没した車の修理費用の目安をまとめました

道路が冠水して、車の中にも浸水してしまった・・・。

台風や大雨による洪水が起きたとき、車が水没してしまう被害が増えています。

近年では「ゲリラ豪雨」と呼ばれる局地的大雨もよく耳にするようになりましたね。
川の近くじゃないから水害とは無縁と思っていても、ゲリラ豪雨に遭った場合は浸水のリスクがあります。特に車で移動しているときは対策がとりにくいのも事実です。

水害に遭って「車に浸水してしまった」、「車が水没してしまった」といった時の修理費用についてご説明します。

水に浸かってしまった車に乗るのは危険が伴いますので、修理前であれば乗るのは控えて、公共交通機関など別の方法で移動するようにしましょう。

浸水・水没車の修理費用

車は多くの電気配線によって制御されて動いていますので、水害ではこの配線部分が被害を受けることが多いです。

水に濡れた状態でこれらの配線に電気が通ると、熱で配線がショートしたり、電気回路にダメージを受けて故障してしまうのです。
ここは外観ではわからない部分なのが厄介で、気づかないうちに被害を大きくしてしまっていることもあります。

修理の際は、水に濡れた配線まわりをすべて交換しなければなりません。そのため、対象範囲はかなり広範囲となります。

配線だけでなく周辺部品も交換しなければならず、部品そのものは少額であっても車を一部解体して修理することになり費用としては高額になってしまいます。

浸水してしまった車の修理費用としては、目安として「シートの高さにまで水が達したかどうか」が基準になります。

ただ、後述しますが水害に遭った車(タイヤよりも深い水域に侵入した場合)は完全な復旧が難しく、修理しても後々のトラブルが多いので注意が必要です。

シート下までの浸水した車の場合

浸入した水の量がシートの下までであれば、エンジントラブルに至ることなく比較的ダメージが少ない可能性があります。
それでも電気系統の部品交換は必要になることもあり20万円~40万円が修理費用の目安となるでしょう。

浸水のダメージは凹みのようには目で見えづらいこと、後々のトラブルに発展することも多いため専門家の意見を聞いた方が無難です。

放っておくとブレーキペダルの金属部分が錆びたり、気付かないところで金属の錆びや腐食が発生してしまうこともあります。
最悪、ブレーキ部分が脆くなり、急ブレーキが効かなかった・・・となったら目も当てられません。

基本は「乾かす」という対処をしなくてはならないですが、素人では判断も対処も難しいと思います。

シート上まで冠水した車の場合

シートがずぶ濡れになるほど冠水してしまった場合は、何かしらのトラブルが起こってしまう可能性が高いです。

たとえば、「マフラーに水が入り詰まってしまうことでエンストがよく起こる」、「エンジンに空気を送り込む場所に水が入ることで、水の圧力でエンジンが停止する」(ウォーターハンマー現象という現象の一部)、などがあります。

こうなるとダメージを受ける電気系統やエンジントラブルに繋がるものが多いため、修理費用も高額になります。
その他、トランスミッション(ギアを変更するための装置)の交換までとなると100万円を越えるケースも十分ありえます。

洪水などでシート上まで水が達した場合には、「シートが水浸しになる」という直接的な被害もありますね。

特に洪水で溢れかえっている水は、いろいろな「汚物や排水」が混ざった決してきれいとは言えない水です。衛生的にもよくないですし、当然、臭いやカビの発生源となります。

気をつけたいのは、たとえ乾燥してもゴミやカスなどの残留物が残ってしまうことです。
それらは電気系統を狂わせたり、部品の劣化により先ほど説明したエンジントラブルやブレーキトラブルなども発生して危険です。

危険なトラブル以外にも、実は一番身近な悩みのタネは「臭い」です。

エアコンからカビの臭いがしたり、汚物も含まれているのでなんとも言えない不快な臭いが残ります。

消臭剤などでは奥深くまで対処できないので、業者によるクリーニングでないとずっと付き合っていくことになるでしょう。

浸水した車は修理しても「冠水歴」が付く

修理する場合の注意点としては、水没車(浸水した車)ということを証明する「冠水歴」がついてしまうことです。

事故車にも似たような車の経歴を表す「修復歴」という言葉があります。

これは事故により車の骨格となるフレーム部分を修理するとつくもので、車としての重要な部位が一度壊れていますよ、という警告の表示といえます。
「修復歴」がついた車は査定額がとても低くなり、高く売ることはできなくなってしまうのです。

それと同じように、水没車の場合は「冠水歴」という履歴が車に残ります。

なぜこのような証明が残るかというと、それだけ危険だからです。

先ほど説明したように、浸水した車は目に見えない部分からトラブルに発展しやすく、リスクがある車とみなされるのですね。
これは修理をしても同じで、業者の手が入っても完全にそのリスクはなくならないとも言い換えられるかもしれません。

下取りでの査定額については、予想できると思いますがかなり低くなります。修復歴がついた車と同程度か、あるいはそれ以上に価値が下がります。

「冠水歴」がつく基準は?

そこで気になるのが「冠水歴」はどの程度の水が浸入したら、判定されるのかということですね。

さすがに「普段乗っているときに飲んでいたお茶をこぼした」という程度ではならないと推測できますが、どの程度かはわかりにくいです。

その一つの回答として、日本自動車査定協会が「水没車」を定義しています。

ここでは、水没車は「室内フロア以上に浸水した車」または「浸水の痕跡が複数確認される車」とされています。

これでもわかりにくいので掘り下げて説明します。

「室内フロア以上に浸水」というのは、要は車の中に水が溜まっている状態ですね。

とはいえ、これも基準がわかりにくいので、「浸水の痕跡」というものを見ていくのが良いです。

「浸水の痕跡」は次のものを指します。

浸水の痕跡 内容
サビ・腐食 シートのスライドレール、スプリング、レールの取り付け部分
ペダル類のブラケット、リターンスプリング
ステアリングポスト付近
センターコンソール取り付けボルト
ドアトリムボードの金属部分
シートベルトの取り付け部分
フロア
ワイヤーハーネスのコネクタ
シガーライター
シミ・汚れ 車内にドロ水が乾いて粉末状になった汚れが有る
シートベルトや内張り、シートの水位跡
ドロ・カビの臭い 室内又はエアコン作動時

これらが2箇所以上あったら、「冠水歴」がつくと考えればわかりやすいですね。

正直、洪水などで水が溢れかえったような被害に遭った場合は間違いなく「冠水歴」がつきます。

修理したうえに、査定額が低くなるのはちょっと損した気になりますね・・・。

浸水・水没した車はどうすればよいか?

浸水した車の修理についてまとめると、このようになります。

  • 修理費用の目安は20万円~100万円オーバーを覚悟する必要がある
  • 浸水した車は重大なエンジントラブルや後々の故障・臭いがとれないなどのリスクがある
  • 修理した場合でも、「冠水歴」がつき査定額は激減する

衝突事故のように見た目のインパクトはあまりないのですが、水害による車の被害は思ったよりも深刻であることがわかってきたのではないでしょうか?

「まだ動いているし大丈夫かも」と、だましだまし乗り続けてしまう方もいるのですが、正直おすすめできません。

できれば、買い替えを検討してもらいたいと思います。

一番の理由は「乗り続けると危険だから」ですが、もうひとつ理由があります。

それは、災害車も買取してくれる業者があるからです。

これまでは事故車や水没した災害車などは、市場価値がないため廃車にするしかありませんでした。

それが最近、そういったスクラップになるような事故車や災害車を買取してくれる業者を見つけました。
私が事故をしたときに探して見つけたのですが、これは使わない手はないな、と。

詳しくはこちらのページで紹介していますので、ぜひ読んでみてください。

https://car-prd.com/

水害の被害は、普段の運転と違って対策という対策もとりにくいのが実情です。

思わぬところで痛い出費となるので気分は最悪だと思いますが、不安を抱えて乗り続けるよりは、気分も新たに買い替えてしまうのも選択肢のひとつだと思いますよ!

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