
警察が到着したら、捜査(事故状況の確認)が行われます。
警察はあくまでも状況を把握、客観的に事故の原因や過失の割合を判断します。協力的に対応しましょう。
交通事故の調査には加害者だけでなく、もちろん被害者も事情聴取を受ける対象になります。
どちらか一方の話だけを聴取してしまうと偏りのある情報が警察に渡ってしまい、過失割合にも偏りが出る結果になりやすいためです。
怪我をしてしまっている場合は片方だけの聴取になる可能性はありますが、病院に行った後、落ち着いたら必ず状況説明をする必要があります。
警察の現場検証、事情聴取にかかる時間は?
交通事故の際に行われる警察の現場検証、事情聴取にかかる時間は最低でも1時間はかかります。
これは少しの追突事故だったとしても最低1時間かかるという意味です。
交通事故の大きさによって時間は大幅に変化します。
もし人身事故で死亡者が出てしまった場合などは、当日だけではなく翌日までかかる可能性もあります。
あくまで目安として1時間程度と考えておき、事故の大きさによってもっと時間がかかる場合があると考えておきましょう。
基本的には警察の指示に従えばOK
警察からの事情聴取は、基本的には警察が質問してくるのでそれに答えていけば大丈夫です。
ですが、仮にあなたが被害者だったとした場合は、自分は被害者だからといって適当な返答をしてはいけません。
正確に事故の状況を伝え、あいまいな返事をしないように気を付けなければなりません。
その理由として「被害者供述調書」という調書があります。
この書類は被害者の説明が正確であればある程、後の損害賠償請求にも影響を与えてきます。
もし、あいまいな返答になってしまった場合は過失割合が変更され、思ったよりも損害賠償を得ることが出来なくなってしまう可能性もあります。
過剰に言う必要はありませんが、問われた質問に対しては的確に伝えることは意識しましょう。
わからないところは「わかりません」ということも大切です。あいまいま表現では正しくない内容が記載されてしまうこともあります。
実況見分調書とは?
警察が作成する書類に、「実況見分調書」というものがあります。
これは人身事故が起こってしまった場合に作られる書類の事を指します。
交通事故の際に誰も怪我をしていない場合は「物損事故」と呼びます。
実況見分調書を作成する目的は、事故が起こった状況を第三者視点で明白にすることです。
この実況見分調書をもとに過失割合、事故の原因を見極め、事故の起きてしまった経緯についての判断が下されます。
実況見分調書を作成する為に必要な情報として
- 加害者の供述
- 被害者の供述
- 目撃者の供述
の3方向から話をまとめて作成されていきます。
基本的には加害者も被害者もどちらもこの実況見分には立ち合い、お互いの意見や主張を伝えていかなければなりません。
この時に片方の供述のみしか得られない場合は、実況見分調書には偏りが出てしまう事があります。
「警察が到着する前にその場を立ち去ってしまった」または「当事者だけで示談交渉したつもりが、相手方が警察を呼んだ」というような場合には、一方のみの供述で調書が作られてしまう危険性を今一度認識しましょう。
正しく情報を伝えることが大切
あいまいな情報は正しく伝わらないだけでなく、聞き手によってはまったく逆の内容になってしまうこともあります。
ですので、できるだけ意識して正確に伝えましょう。
伝えておきたい内容として、事故が起きたときの次の状況を思い出しておくと良いです。
- 車の交通量
- 信号の有無、信号の色
- 車間距離
- 走行速度
- 天気
- 自身の体調
- 対象の事故車と接触した時の角度
警察が客観的に情報を集める事が出来るよう、様々な角度から説明を行います。
ただし、当然ですが自分の都合の良いように嘘をついてはいけません。
警察の調査内容と食い違いが起こりすぐにバレますし、あなたの証言はすべて信憑性がなくなってしまいます。
また、この時に目撃者という第三者の存在がいると本当の意味での客観的な説明を行う事が出来ます。
前回の「事故後に落ち着いたときに第三者の目撃者を確保しておきましょう」というのはこのような意味からです。
さらに、事故後に様々な情報(上記に記載した事故が起こってしまった時の状況)を写真に収める事が出来ていたらより、発言の信憑性は高まります。
相手の証言と食い違いが発生したら
警察に話をするとき、加害者と被害者とで内容が異なる場合はよくあります。
それは人間、誰しも自己保身の心を持っているため、ある意味仕方のないことでしょう。
ですが、相手の主張に対して確認を求められたとき、適当に相槌を打ってはいけません。
事実と違う場合はハッキリと「それは事実と異なります」と伝える事が重要です。
相手が言っている事を受け入れている姿勢を見せてしまうと、実況見分調書も話の流れに沿った内容で作成されます。それが事実とは異なっていたとしてもです。
あなたが加害者の立場だと、申し訳ない気持ちから相手の主張を受け入れてしまいがちですが、決して事実と異なることを認めてはいけません。
少しでも違いを感じたら、自分の認識とともにしっかりと主張しましょう。
警察指定のレッカーには注意
事故を起きた後、車が自走する事が出来ない場合はどうしてもレッカーで移動させる必要があります。
ここで注意をしなければならないのが「警察が指定するレッカー」です。
その理由は単純に、金額が非常に高いからです。
例えば、あなた自身が加盟しているJAF等のロードサービスであればお金がかからないかもしれません。
ですが、警察が指定するレッカー移動には最低でも5万円~8万円前後の費用が発生します。
相場と比べてもかなり高額です。
ここで注意してあなたが行動してほしいのは、警察に
「レッカー移動は自分で手配しているので結構です。」
と伝える事です。
不親切な警察ですと、お金がかかる事が分かっていてもレッカー移動を勝手に頼むこともあるそうです。
ある意味親切に見えるかもしれませんが、費用がかかる事を警察側は知っているので、不親切な結果になります。
事故を起こしたときの流れとして、保険会社へ連絡するよりも先に警察へ連絡すると思います。
その中で警察からレッカー移動の案内があるかもしれませんが、ご自身のロードサービスなども確認したうえで判断しましょう。
もし、警察側から「レッカー移動はこちらで手配しました」と先に言われてしまった場合は、「自分で手配しますので結構です」とハッキリ伝えましょう。

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