
ここまでの内容を一度整理しましょう。
事故を起こした時の優先順位は以下のようになります。
- 負傷者の救護
- 2次災害の防止
- 救急車の手配
- 警察への連絡
1~3までの過程が必要な場合はすぐに行動に移し、解決に向けて最善を尽くしましょう。
この過程は事故を起こした加害者、被害者共に必要な法的責任でもあります。
もちろん、1~3までの過程が不必要な場合もあります。
- 負傷者がいなかった場合
- 2次災害の心配が無い場合
- 救急車を呼ぶ必要が無い場合
などのときですね。
優先度1~3までの過程があるにしろ無いにしろ、警察を呼ぶ事は事故の大小関係なく必須になります。
そこで警察が来るまでにしておくべき事を説明します。
これから説明する事をした場合と、していない場合では結果が大きく変わる可能性があります。
やること1 事故現場を保存する、写真に残す
警察を呼べばすべてお任せというわけにはいかず、警察が来る前にも様々なトラブルが起こってしまう可能性があります。
よくあるのが、次のようなものです。
- 対象の人物が帰ってしまう可能性
- 事故現場の証拠が変化してしまう可能性
そのため、警察が到着するまでに事故現場の写真を撮ることをおすすめします。
現場の写真を数十枚、とにかく撮っておきましょう。気になる箇所は全て写真に収めておく事で、後ほど大いに役に立つ事もあります。
写真に撮っておきたい画像は次の場所です
- 全体の外観、事故発生場所
事故が起きた現場の写真を近くからと遠くからと数枚に分けて撮影しておきます。
その写真がある事によって、どの角度から車が進入し、どの角度でぶつかったのか等、警察の判断材料のひとつになります。 - 自分の車、相手の車の損傷具合
自分の車、相手の車の衝突した場所の写真を撮る事。後で警察にも見られる事になるかもしれませんが、事故発生直後と警察介入までの間に証拠の変動が起きてしまう事を防止する為です。 - 相手の車のナンバー
事故対象者の車のナンバーを写真に収めておくだけです。考えうるリスクを取り除く為です。 - 事故現場の事故影響破片の散らばり具合
事故の影響で飛び散ってしまった車のパーツなど。証拠品となる画像について写真、こちらは動画を用いて全体を映していてもいいでしょう。 - その瞬間の天気の様子
天気は瞬間的に変わるものです。なので、事故が起きてしまった時の天気状況についても写真に収めておく事で警察も事故当時の状況予測をたてやすくなります。 - 道路上の路面状況
雨なのか雪なのか、凍結していないか、完全に乾いているのか等。その瞬間の状況を収めておく事も非常に重要です。
これら、情報として提出することが可能なものは全て写真に収めておきましょう。
事故現場の情報を撮影しておく事は、警察が事故現場見分を進める上でとても重要な資料になります。
写真が無い場合では警察に伝える情報が少なくなってしまう為、過失割合などを決定する情報内でも大きく差が出る項目です。
警察が作成する「実況見分調書」でも、写真を提出することで説明する内容の説得力が増します。(実況見分調書は人身事故の場合のみです)
一番リスクのあるパターンは、現場の証拠を撮る前に相手方がいなくなってしまう可能性です。
そうならないように、その場で写真を保存する事で、お互いに納得できる状況を作ることが重要です。
やること2 後発事故を防ぐための対処を行う
軽い接触事故の場合は車を移動させる
可能な限り事故状況の写真は残しておいた方がよいのですが、軽い接触事故の場合は車の移動を優先しても大丈夫です。
「軽い」の判断基準のひとつとしては、車や衝突物などの破片が飛び散っていない状況です。
車に凹みがあるだけであれば、移動してからでも証拠としての効果はかわりません。
ですので、出来るだけ交通状況に影響を与えないようにすることを優先しましょう。
路肩や交通量が少ない道に移動して、交通渋滞や後方からの玉突き事故といった2次災害を防ぐことが大切です。
あくまでも自走が可能な場合なので無理をしてという訳ではありませんが、原則として2次災害を防止する為の行動は事故発生者の責任となります。
大きな破損事故の場合は2次災害を防ぐ対処を行う
大きなぶつかりがあった場合は、車の破片が至る所に飛び散ったりして交通に影響を与えてしまいます。
さらに大きな事故へと発展しないよう、後発車両に事故発生を伝える対処をしなければなりません。
その方法として
- 発煙筒を使う(どんな車の中でも常備されています)
- ハザードランプを使う(車の機能が正常であれば)
- 停止表示器材(積んでいない車もあるかもしれませんがあれば使います)
などを使い、後方車両に対して前方で異常が発生している事が明らかになるようにしておきましょう。
事故の後、後方車両が気付かず玉突き事故が発生してしまうという2次災害の事故が年に何件も発生しています。
追い抜き斜線へ飛び出してしまい死亡事故に繋がることもあります。
やること3 事故の目撃者と連絡が取れるようにしておく
必ず必要なことではありませんが、当事者同士の連絡先だけでなく目撃者の確保をしておく事も重要です。
目撃者の意見は大事な第三者の意見として重宝されます。できれば2人以上確保する事が出来れば最適です。
まずは話しやすそうな方で構いません。
- 後続車への誘導を手伝ってくれた人
- 怪我人の搬送を手伝ってくれた人
- 事故現場でこちらを見ている人
などに声を掛けて、その場に残ってもらえるか?事故状況を証言してもらえるか?を確認しましょう。
その場に留まってもらい警察が来るまで待ってもらえれば一番ですが、忙しく時間がとれない方には連絡先だけでも教えてもらうようにすると良いです。
目撃者に証言してもらう内容で、警察が作成する実況見分調書も大きく記載内容が変わり、過失割合も大きく変化する可能性が高いです。
正確な現場検証をしてもらう為にも、第三者の目撃者と連絡がとれるように警察が来るまでに準備しておきましょう。

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